マヤ34 2009BE220-1

 

 列車を安全に運行させるためには、踏切や信号などのシステム作動状況や、列車自体の車体構造や性能などがポイントになろうかと思われますが、平素から線路(軌道)の整備がしっかりなされているかどうかも安全運行に大きく影響します。昔は保線作業員さんが巡回して軌道の狂いを見つけていたようですが(これは大変な労力を要しますね)、昭和34年(1959年)に通常走行しながら軌道のゆがみを検測できる車両、高速軌道検測車マヤ34形が開発・製造されました。(昭和34年に登場したので、マヤ「34」を名乗っているのかな?)

マヤ34 2009

 昭和34年に登場したマヤ34形ですが、昭和56年(1981年)までに計10両が製造されており、JR化後は全国各地で活躍しました。ここ九州にはマヤ34 2009が熊本車両センターに配属されましたが、結果的に10人兄弟のなかで一番最後まで現役で残った車両となりました。

 

 資料によりますと、マヤ34形の車体構造は10系客車に習っているとのこと。今や客車の存在そのものが珍しい時代、マヤ34形の形態とその車体色とが相まって僕の目にはどこか懐かしくレトロに映り、とてもエモく感じますね〜。

 さて、九州に残ったマヤ34 2009。僕はいつまでもその姿を見たいと願っていましたが、令和5年(2023年)年、残念ながらJR九州は後継車としてBE220形の導入を決定しています。自走ができないマヤ34形は、どのような機関車に牽引されても絵になっていましたね。いよいよその光景も過去帳入りとなりそうです。

BE220-1

 前述のように、老朽化したマヤ34形の後継車としてすでにBE220形多機能検測車の導入が決定しています。実はこのBE220は新造車ではなく、令和2年(2020年)の夏、人吉駅構内で豪雨災害により浸水したキハ220-1102(元なのはなDX車)を種車として改造されたものです。(あの惨状を伝える映像は今もなお記憶に新しいです。)改造は小倉総合車両センターが担当。マヤ34形で行った軌道検測機能以外にも、部材検査支援カメラ装置、建築限界測定装置も備えているそうです。小倉総合車両センターでの改造を終えて出場後は熊本車両センターへ回送されています。

 興味深いことに、車両のロゴやデザインは会社内の建築業務に携わるスタッフ間でコンペを行って決定したそうです。僕は地元新聞の記事でBE220形の登場を知りましたが、写真で見た前面の丸くて大きな目玉に軽い衝撃を受けました。(笑)愛称の「BIG EYE」はこの目玉からついたものなのでしょうね。ちなみにもう片側の前面は牛をモチーフとしているのだとか。(へぇ 〜〜)

 

 実車の世界ではまもなく姿を消すマヤ検ですが、当社ではマヤ34形とBE220形が両輪となって軌道の検測を続けてまいります。








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