421系・423系




 昭和30年代半ば、交流電化の進展に伴って直流区間と交流区間とを行き来できる電車が必要になりました。そのような状況下で開発されたのが交直流型電車の401系と421系です。量産先行車は昭和35年に完成しました。

 これらの形式は製造当初から、その後の近郊型電車の設計基準となる両開きの3ドア、セミクロスシート、2段上昇窓を装備していました。なお、営業は翌年の昭和36年から開始されています。

 421系ですが、これは60Hz用として設計され、交流電化区間の九州と直流電化区間の山陽本線を直通していました。製造当初の421系には、側面の裾にクリームの細帯が巻かれ60Hz用であることが示され、50Hz用の401系と区別されています。

 423系は421系を出力アップした系列で、昭和40年から4両編成30本が製造されています。当初は非冷房車であったために昭和62年までに全車両が冷房化されましたが、さまざまなタイプのクーラーが装備され、そのバリエーションが非常に興味深かったですね。残念ながら実車は平成13年までに全廃となりました。  

 僕の手元に「鉄道ジャーナル 1978年5月号」がありまして、近郊型電車の特集が組まれています。記事によれば、僕が生まれた昭和40年には南福岡に87両配置されていました。僕が産声を上げた当時の小倉記念病院(現:小倉井筒屋)の前の紫川にかかる鉄橋を421系は走っていたのですね。そう思うと感慨深いものがあります。

 ローズピンクの421系・423系、本当に懐かしいです。昭和60年、予備校の帰りに小倉駅から折尾発新田原行の8両編成の電車をよく利用しました。記憶が定かではないのですが、小倉を17時頃に出た電車ではないかと思います。蒸し暑い夏、小倉駅の6番ホームで鹿児島線から入線してくる電車を遠くから眺めて、屋根中央にかまぼこ状のクーラーがあれば喜び、丸い円盤が並んでいるとがっかりしたことを今でもよく覚えています。421系低運転台編成は扇風機でしたね。

 平成28年現在、当社には421系ローズピンク低運転台車が2編成8両、421系・423系九州色が4編成16両が在籍しており、北九州地区・大分地区で通勤、通学の足として活躍しています。

421系分オイFo19編成

 この編成はAU1X冷房搭載車の中でも車両の前後に熱交換器を搭載し、他車とは外見が大きく異なるのが特徴でした。また、モハユニットを含めてオール421系です。クハ運転席直後の窓に2段のルーバーがあり、この編成の大きな特徴の1つとなっています。








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