475系・457系



 かつて九州各地を走った急行電車「かいもん」「ぎんなん」「ゆのか」「日南」。そして一時期関門トンネルを抜けて九州と山陽路を結んだ急行「玄海」「山陽」など。これらの任を担ったのは、国鉄が製造した交直両用急行形電車である475系・457系でした。1970年代の大活躍をピークにその後は同系列の急行仕業が減少していき、1985年(昭和60年)3月の改正で惜しまれつつも急行の任を解かれることになりました。以降は短編成化されてローカル輸送に活躍することになります。クハ・モハ・クモハの3両編成を組み、南九州を中心に運用されました。  

 そうそう、ローカル運用となった国鉄末期からタウンシャトルのユーモラスなヘッドマークを掲げていました。(大分県にゆかりの深い漫画家、富永一朗先生が描かれたデザインですよね。)このデザインはディーゼルカーや客車をけん引するディーゼル機関車(DE10)にも用いられました。このヘッドマークは僕が学生の頃、大分駅でよく見かけたものでした。懐かしい〜。

 さて、時を同じくして475系・457系の車体塗装が変更となります。従来の交直流急行色から、お馴染み白地に青い帯のJR九州色へと塗り替えられます。たしか国鉄からJRの移行期だったと記憶しています。この頃は国鉄色とJR九州色とが入り乱れていました。

 475系・457系は運用末期に至るまで鹿児島本線の川内以南、日豊本線の中山香以南を担当しました。思い出します。2006年(平成18年)の夏、早朝に亀川発南宮崎行きの電車に別府大学から大分まで乗車した時のことです。ガラガラの車内。ボックスシートに足を投げ出して明るくなった青空に映える別府湾を眺めつつ、在りし日の急行に思いを馳せながら豪快なモーター音に耳を傾ける。国鉄型電車好きにとってこれ以上の幸せがありましょうか。ああ、あの頃に戻りたい!(すみません。取り乱しました...。)

 国鉄時代末期、短編成化を進めるにあたって不足する先頭車を補うためにグリーン車サロに運転台を接合する工事がなされました。クハ455 600番代の登場です。この先頭車、面白いのは何といっても側面窓の形状ですね。種車の特徴がそのまま残っていました。当社にはクハ455−605とクハ455−610の2両が在籍しています。

 

 

 それぞれの地域でローカル輸送に活躍していた475系・457系ですが、2007年に定期運用を離脱した後、2010年には全車が解体されてしまって今ではその姿を見ることはできません。思えば大分車、鹿児島車共に485系の時のような盛大なラストラン・セレモニーの記憶が僕にはないです。急行時代の華やかな活躍も過去のものだから、とひっそり引退していった感があります。しかし、模型の世界ではまだまだ現役ですので、これからもガンガン走っていただきましょう!

 

 

 そうだ!この列車を使って「リバイバルゆのか号」を運転しようって思いきや、実は当鉄道会社では急行ゆのかがまだ現役でしたとさ。(お後がよろしいようで...)








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