485系きりしま・ひゅうが色


 国鉄からJR九州に移行したての頃だったでしょうか、それまで伝統の国鉄特急色を身にまとっていた485系は、次第に全身真っ赤な外観に塗り直されて、「レッド・エクスプレス」を名乗るようになりました。幼い子どもたちからは「ケチャップ電車」って呼ばれていましたね。(笑)それと車体側面に英文字がごちゃごちゃと書かれていて、なんとも派手で賑やかな印象を残しました。あの塗装、個人的にはあまり好きではなかったのですが、次第に見慣れてきますとさして気にもならなくなりました。そんな485系もすでに過去のものとなっています。

 国鉄特急色が消えて久しい頃、やがてそのレッド・エクスプレスにも塗色の変更が施されるようになります。1994年(平成6年)にはハウステンボス色に。これも斬新なデザインでしたね。先頭部分はレッド・エクスプレスの雰囲気が残りますが、側面は赤・緑・黄色・青を配して、これまた賑やかな塗色でした。   

 1995年(平成7年)、特急にちりんの運用区間を短縮させるため、特急きりしまが誕生します。すると今度は緑一色の塗装となり驚きましたが、485系は赤より緑が似合うのでは、とこれは個人の感想です。さて、JR九州は2000年(平成12年)に新しい名称の特急を誕生させます。その名も「ひゅうが」。485系は「きりしま」と「ひゅうが」の共通運用となり、ここにハウステンボス塗装を活かした「KIRISHIMA & HYUGA」色が生まれます。

 九州新幹線が開業した2004年(平成16年)、特徴的な緑一色の「きりしま」色が1編成のみ再現されて、その姿を5〜6年の間、目にすることができました。

 きりしま・ひゅうが色を身にまとった3連の485系は、ここ大分では特急にちりんとしての運用が日常でした。あの頃は別府発、あるいは大分発で南九州へ向かっていました。今回ご紹介しました「KIRISHIMA & HYUGA」色485系はモノクラスの最短3両編成でしたが、5連のレッド・エクスプレス同様にどっしりした貫禄と存在感があって僕は好きでしたねえ。模型を眺めていますと、15年ほど前、妻の実家に向かう際に雪がひどく、車をあきらめてこの列車に乗車したことが懐かしく思い出されます。

  

 






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