883系 ソニック


 883系は1994年(平成6年)に登場したJR九州初の振り子式電車です。日豊本線の速達化、特急のイメージ向上を狙い、振り子機能や外観デザイン・内装など、それまでの電車のイメージを大きく変えた車両といえるでしょう。最初の3年間に7両編成5本(1次車〜3次車)が登場し、当初はソニックにちりんとして運用されました。

 

 運用開始当時に発行されたパンフレットに列車の内装が写真付きで紹介されていますが、とてもカラフルでそれまで走っていた特急のイメージが大きく変わるデザインでした。僕は運行開始翌年に初めて883系に乗車しましたが、その斬新さに驚いた記憶がよみがえります。お洒落な照明や原色を多用した鮮やかなデザインは近未来の電車を予感させるものでした。これは今見ても十分にカッコイイですね。

 博多と大分を最速1時間59分で結ぶ俊足特急、ソニックにちりんは大好評のうちに迎えられ、早々にJR九州を代表する電車となります。さらに1997年(平成9年)、4次車5両編成3本が追加増備されて、883系は全部で8編成の陣容となります。4次車は1編成が5両である他に、前面がそれぞれイエロー、ブラック、グレーに色分けされていました。

 2005年(平成17年)、883系に変化が生じます。車両の製造から約10年を経たこともあり、リニューアルが施されることになりました。大きな変化は外観に現れ、それまで無塗装のステンレス板が全体にメタリックブルーに塗り替えられました。(個人的にはコチラの塗装のほうが好きです。)内装もそれまでのカラフルな色彩が一掃されて白を基調とした変化がみられ、とても落ち着いた感じになりました。

 リニューアルは2007年(平成19年)に全車終了し、現在の見慣れた姿となります。この時点では7両編成と5両編成とが混在していました。

 翌年の2008年(平成20年)、5両編成を7両編成化する車両の増備が行われました。電動車(モハ883形1000番台)と付随車(サハ883形1000番台)の増結です。車体構造が885系に近く、その外観の違いからこの増結編成は一目で判別できます。

 

 さて、日豊本線と鹿児島本線を疾走する883系ですが、思えば登場から30年近くを経ることになります。そろそろ何らかの動きがあるかもしれません。子どもたちにも大人気のソニックがいつまでも元気に現役で走ってくれることを心から願いたいと思います。

 <おまけ>

 令和3年12月10日。大分駅7・8番線ホームの待合室がギャラリーと化していました。懐かしの寝台特急富士のヘッドマークと883系ソニックの先頭部分(手作り感がイイ!)が展示されています。ちなみに向こうに見えるのが、ゆふいんの森号とトロQのヘッドマークです。








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