BEC819系



 今もなお九州の非電化区間では国鉄時代に製造されたキハ40系を主とする気動車が元気に活躍していますが、これまでの他車両と同じく経年劣化が目立つようになり、そろそろ置き換えの時期を迎えようとしています。

  

 BEC819系は古くなった国鉄型気動車を置き換えるべく開発された近郊形交流用蓄電池駆動電車です。簡単にいえば、架線がなくても走れる電車ということになるでしょうか。「"D"UAL "EN"ERGY "CHA"RGE TRAIN」の頭文字をとって「DENCHA」の愛称で呼ばれています。

  

 ざっと調べてみますと、このBEC819系は開発段階では世界初の交流方式の蓄電池電車だったことがわかりました。国鉄型車両ファンの僕からすれば、何とも夢のような電車です。ちなみに車体の塗装や内装のデザインですが、JR九州ではお馴染みの水戸岡鋭治氏が担当されています。オシャレ、というよりは何とも可愛らしい電車になりました。「DENCHA」という愛称もその一因となっている気がします。

 BEC819系のコンセプトは『人と地球の未来にやさしい』だそうです。押しボタン式半自動ドアや大型液晶ディスプレイが装備され、外装は白色ベースに地球をイメージした青色を乗降扉に塗装、そしてその脇には「819 DENCHA DUAL ENERGY CHANGE TRAIN」のロゴが青色で描かれています。 

 実車は平成28年(2016年)10月19日に筑豊本線の折尾駅と若松駅間(若松線)での営業運転が始まりました。現在では若松線の気動車はすべてBEC819系に置き換わっています。これでBEC819系は直方から続く電化区間との直通運用となりました。なお、蓄電池への充電は折尾駅で行われているようです。

 現在、BEC819系は直方〜博多間でも運用されるようになっておりまして、従来の817系と手をつないでの運用もあります。

 さて、わが社に所属するBEC819系ですが、「地球にやさしい」は実現できましたが「お財布にやさしい」とはなりませんでした。(苦笑)ですが、今日も通勤・通学のお客さんを乗せて電化区間と非電化区間を走り抜けております。

 







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