B20形蒸気機関車


 国鉄B20形蒸気機関車は第二次世界大戦末期の1944年(昭和19年)から約3年間にわたって15両が製造された形式です。小柄でとてもかわいい蒸機なのですが、くわしく調べてみますとB20形製造の背景には戦争が濃い影を落としていました。

「車両統制会」。僕は初めて知ったのですが、これは太平洋戦争開戦直後となる昭和16年(1941年)。国内にある鉄道車両メーカーが車両を製造するにあたり、円滑化・効率化のためその規格の統一を図る目的で設立されたそうです。B20形蒸気機関車はその規格に基づいて作られたものなのでした。ちなみにB20形式の「20」は重量20.3トンを表していました。

 

 B20形蒸気機関車は構内の入換専用機としての用途を念頭に設計されていますので、本線走行は行いません。実に地味な存在だったわけですが、現在1号機、10号機の2機が保存されておりまして、それぞれ北海道の万字線鉄道公園、京都府の京都鉄道博物館でその姿を見ることができます。ちなみに後者は動態保存です。すごいですね。さて、この2機のうち九州にゆかりのあったのは10号機のほうです。同機は昭和24年(1949年)から昭和47年(1972年)まで鹿児島機関区にいました。そのようなわけで、当鉄道会社が所有しているのは10号機です。

 もともと実車がコンパクトで小型ですので、Nゲージサイズにしますとこれがまたとても小さいのです。取扱注意。(笑) しかし、驚くことにそれでもちゃんと動きます。ミニ蒸機がトコトコと走る姿には驚きを超えて感動すらおぼえます。いつかキワ90、10t半キャブと共に走行会を開きたいなあ。先ほどB20形は構内入れ換え専用機と書きましたが、一度だけ昭和39年(1964年)に行われたイベントで日豊本線を機関車4重連の先頭で走行したことがあるようです。








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