ゆふいんの森



 全国的にも有名な高原リゾート地、大分県湯布院町(当時)への観光誘致、同時に久大本線のイメージアップを図るべく、1989年(平成元年)3月に「ゆふいんの森」号はデビューしました。運転開始当初から現在に至るまで、久大本線不動の人気を誇る花形列車です。テレビの旅番組にもよく登場しますね。

 

ゆふいんの森T世(更新前)

 ゆふいんの森号の運転開始当初に投入されたキハ71系は、国鉄急行型気動車キハ58とキハ65の床下機器に新製した車体を載せたものでした。その外観からは種車をまったく想像できないほどです。改造というより変身、といった感がありますね。デビュー当初は3両編成でしたが、利用客から大好評であったため、翌年には4両へ編成が増強されました。

 

ゆふいんの森T世(更新後)

 2003年(平成15年)、機器の老朽化のため、車両の大規模な更新工事が施工されました。古くなったエンジンの換装はもちろん、カフェテリアの新調、サロンの新設など内装を刷新しています。更新後は大幅なスピードアップが可能となりました。(95q/時→120q/時)

ゆふいんの森U世

 キハ71系「ゆふいんの森」号はリゾート特急として大好評を博し、当時のJR九州を代表する列車となりました。この成功を受けて1992年、同列車の増発用に登場したのがキハ183系1000番台です。それまでオランダ村特急として走っていましたが改装を受け、1999年にキハ72系が投入されるまで運用に就きました。

 

 手元にある1994年(平成6年)版の時刻表をみますと、ゆふいんの森号は久大本線経由で小倉と博多とを結んでいたことがわかります。巻末に編成表が載っていまして、キハ71系とキハ183系とが役割分担しながら働いていたことがわかりました。

ゆふいんの森V世(4両編成)

 欧風の外観、レトロ調のインテリア、先頭車からのダイナミックな展望など、キハ71系からのデザインを引き継いだ新造車が1999年(平成11年)に登場しました。その名もキハ72系。貫通路を含めたオールハイデッカー構造でビュッフェ付き、お洒落な外装・内装がこれまた人気を博しました。

ゆふいんの森V世(5両編成)

 当列車は国内外の観光客から相変わらずの大人気でした。2015年(平成27年)には中間車キサハ72−4(4号車)が新造されまして、以降は4両編成が5両編成に増強されて現在に至ります。由布院駅に到着後、先頭車と共に記念撮影をする観光客の姿はもはや日常の風景となりました。さて、久大本線は昨今の新型コロナ感染症のあおりを受けて観光客が減ったばかりでなく、相次ぐ自然災害に悩まされています。一日も早いコロナの収束と沿線の復旧で、以前のような賑やかで活気のあるゆふいんの森号が復活することを願いたいと思います。

 おまけ

 当鉄道会社が所有していた初代キハ72系は、車体が変形するという悲劇に見舞われて残念ながら廃車になりました。(コトの顛末は4番のりば「キハ72系 ゆふいんの森が...」を参照ください。)特に変形の激しかった2号車(モーター車)は解体され、残りの3両は変形した姿を見せつつも長男の勉強机に静態保存されています。彼に鉄趣味はないので、いつの間にか解体されて...ということになりそうです。








  inserted by FC2 system