107系100番台


 昭和の末期、北関東の国鉄路線では急行の任を解かれて短編成化された165系がローカル運用の一翼を担っていました。しかし、急行型電車の車端2扉構造が通勤・通学ラッシュの乗客の乗降に支障をきたし、列車の遅延を引き起こしていたそうです。当然、165系は淘汰の道を歩みます。個人的には車体の老朽化よりもその車体構造が問題だったのかな、と感じております。そのような経緯があり、発足間もないJR東日本は新たな電車の開発に取り組みました。登場したのは2両編成を基本とする107系電車です。

 生産コストを抑えるために165系の部品も使用しつつ昭和63年(1988年)、3扉・ロングシートの107系が落成します。107系には主に日光線で運用された0番台、両毛線を中心に北関東で用いられた100番台とがありますが、両毛線に思い入れのある僕は100番台のコレクションを楽しんでいます。100番台は前期型と後期型とがあり、外見上の大きな相違は戸袋窓のあるなしでしょうか。あるのが前期型でないのが後期型です。

 107系100番台前期型

 107系100番台後期型

 白地の車体にピンクとグリーンのライン、その色合いから「サンドイッチ」とか「ハムサンド」などと呼ばれたそうですね。これはなかなか秀逸なネーミングだな、と感心してしまいました。さて、混雑緩和の3扉ロングシートも僕が2000年3月に前橋から高崎まで乗車した際には2両編成で大混雑。107系を堪能する雰囲気には程遠いものでした。今となっては懐かしい思い出ですが。

 

 この107系、両毛線だけではなく上越線でも活躍しました。雪景色の中を力強く走る姿はとても印象的です。どこか165系の姿を見ているようでもあります。

 107系は2両編成ですので、沿線や乗客の需要に応じて柔軟に増結が行われました。両毛線でも4両、6両で走る姿は日常でした。田んぼの風景を走る長編成の107系もなかなか絵になります。一度でもいいから107系で両毛線を乗り通してみたかったです。ロングシートでは少々キツイかな...。

 平成29年、北関東を走った107系はその役目を終えました。令和の時代にはすでにJR路線上から姿を消している107系ですが、嬉しいことに一部の編成が上信電鉄に譲渡されて700形電車として今もなお現役です。JR時代の彼らの功績を記憶にとどめつつ、新天地でのさらなる活躍を応援したいと思います。 

 

 

 

 



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