京キト113系L編成

 113系、といえば言わずと知れた115系と並ぶ国鉄近郊型直流電車の名車です。昭和時代に約3000両製造されたこのグループも令和4年現在、たった128両を残すのみとなりまして、いよいよ「風前の灯」状態となりました。それらはすべてJR西日本に所属しています。

 吹田総合車両所京都支所に所属する京キト113系ですが、すでに湘南色は消滅しておりましてすべて緑色(抹茶色)の単色塗装となっています。ある鉄道専門誌を読んでいて京キト113系L編成のバリエーションが変化に富んでいてとても面白いのに気づきまして、この度、Nゲージで再現してみることにしました。せっかくなので京キト113系L編成の歴史について少々調べてみました。

 1974年に湖西線が開業しまして113系が走ることになったのですが、沿線の気候を考慮して耐寒耐雪装備を持つ700番台が投入されることになりました。次いで1980年に草津線が全線電化、ここには113系2700番台が用いられることになりましたが、どうやらこれらは2路線の共通運用となっていたようです。1992年に高速化改善が施されましてそれぞれの車番に5000が加えられ、それぞれ5700番台、7700番台となりました。

 JR西日本さんは「古いものをいつまでも大切に使う」という日本人の美学に合った方針を持つ会社であります。(決してイヤミではなく...。僕は素晴らしいことだと思います。)さて、113系は製造から何十年を経た電車ですから、生のままではとても長くは持ちません。そこで、延命N工事、30N体質改善工事、40N体質改善工事などが113系に施されました。もともと個体に差異がある113系ですから、さらに外観にさまざまな特徴が残されることになりました。ちなみに、L編成はすべて4両編成となっています。

 オデコにある機器の違い

 30N体質改善工事車までは外観にまだ原型をとどめますが、40N体質改善を施工しますとかなり変化が生じてきます。大きな特徴といえば雨どいを張り上げた車体側面、加えて側面窓についてはステンレス枠化されていまして、一見して40Nであることがわかります。京キト113系L編成は、30Nあり、40Nあり、ダブルパンタあり、床下グレー塗装あり、と非常に興味深いグループなのです。

  30N体質改善工事施工車

  40N体質改善工事施工車

  バブルパンタ車

  床下グレー塗装車

 さて、実車の方は新たな車両への置き換えのうわさがちらほらです。残念ですがこれは無理もないことでしょう。ラストランのその日までトラブルなく、元気よく走ってもらいたいものですね。ディスプレイした模型を眺めながらそう願うのでありました。





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