115系3000番台(末期色)

 一時期は1800両を超えて一大勢力を築いた国鉄型直流近郊電車115系ですが、令和4年現在では大幅にその数を減らしておりまして、稼働中の車両は300両を切っている状況になっています。個人的には大好きな電車なのですが、昭和生まれの車両のため老朽化・陳腐化は否めず、仕方がないとはいえ一抹の寂しさを感じてしまいますね。

 僕が持っている115系のイメージはといいますと、俗にいう「東海顔」を持ち、3扉のセミクロスシート、オレンジとグリーンのツートンカラー(湘南色)を身にまとっている(横須賀色は70系か113系のイメージなのです)、短編成から長大編成まで柔軟な運用が可能、といったところですが、調べてみますとこの3000番台に関しては、それまでの番台とは少々異なったコンセプトがありました。

 

 話は1982年(昭和57年)にさかのぼります。当時のダイヤ改正で広島-岩国間を15分ヘッドで運転する「ひろしまシティ電車」が生まれました。その際に投入されたのが115系3000番台なのですが、それまでの115系とは異なりまして、2扉で転換式のクロスシートを装備し、関西圏で活躍していた117系並みの客室サービスを提供しています。また、当初から塗装が湘南色や横須賀色ではなかったことも特筆され、いろいろな意味で異色の存在でした。

 

 現在、115系3000番台は単色塗装(俗にいう「末期色」)で、岩国以西の地区(下関〜岩国間)で活躍しています。下関駅ではJR九州所属の415系との並びも見られ、ぜひ模型でも再現してみたいところです。実車についてはいつまでも安泰というわけではありませんので、一度は乗車しに行きたいと思っています。(実は一度も乗車経験がないのです。)夜、書斎で模型を眺めながら、115系の最終製造グループである3000番台の末永い活躍を静かに願うのでした。

 




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