119系 東海色


 見慣れた光景、当たり前の光景もやがては過去のものに...。長いこと北関東を走った高崎の湘南色115系が終焉を迎えた時、僕はそのことをいたく実感したものでした。そして飯田線で元気に活躍した119系の姿、当たり前に見ることのできたその光景も、今や過去のものとなってしまいました。時の流れとはいえ寂しいもんです。

 

 119系の製造は1982年(昭和57年)で国鉄時代でした。だから純然たる国鉄型車両なんですね。途中、冷房化や両運転台化工事など車体に変化はありましたが、相変わらずのパンダ顔、国鉄の雰囲気を色濃く残す車内は非常に魅力的でした。残念なことに、僕は実車に乗車したことはこれまで一度もないのですが、動画サイトでその走行シーンには幾度となく触れておりまして、国鉄車びいきの僕にとって好きな車両の一つでした。

 飯田線といえば深い山に分け入る山岳路線のイメージ。しかも、もともとは私鉄でその趣(おもむき)は今もなお健在です。単線のクネクネカーブを行き来する短編成の119系、トンネルを出てすぐまたトンネルに入る姿。これがまたたまらなくカッコいいんですよねえ。クハ+クモハの2両編成よし、クモハの単行もよし、それらが連結した3両編成もよし、クモハ+クモハの2両編成もまたよし。短編成ではありますが、周囲の風景によく溶け込んでいると思います。個人的には国鉄時代の塗装よりも末期の東海色のほうが好きですねえ。(僕は湘南色が好きなので当然ですね。)

 

 119系はJR路線では廃系列となってしまいましたが、一部の仲間たちはえちぜん鉄道へと譲渡されて活躍中です。彼らのますますの活躍を期待したいと思います。それにしても引退した列車が現役さながらに再現できる鉄道模型は素晴らしいですね。高崎の115系もそうですが、寂しい気持ちも少しは紛れる気がします。(なお、その効果については個人差があります。(笑))

 





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