36ぷらす3

 JR九州は「デザインと物語のある列車で九州を楽しむ」をコンセプトとした観光列車のブランド、D&S(デザイン&ストーリー)列車を生み出してきました。そして、これまで登場した列車はそれぞれの地域、あるいは九州全域で成功を収めてきました。さて令和2年、D&S列車の第12弾として「九州のすべてがぎゅーっと詰まった”走る九州”といえる列車」が営業を開始しました。その名も「36ぷらす3」。

 36ぷらす3、初めてこの列車名を耳にして僕はまるでその意味が分かりませんでした。そこで調べてみたのですが、なるほどなるほど。深い意味が込められていました。まず、九州は世界で36番目に大きな島であるということ。列車の旅では九州を楽しむ35のエピソードを紹介し、36番目のエピソードは乗客自身に語ってもらいたい、という想いを込めての36なんですね。ぷらす3、これは「乗客」「地域の方々」「JR九州」の3者を指し、36に加えることで36+3=39(サンキュ―)、すなわち感謝の輪を広げていきたいという意味があるそうです。深いですね。

 実車は787系6連が改造を受け、そのデザインはJR九州ではお馴染み、水戸岡氏の手によります。車体は黒を基調としますが、その光沢が実に素晴らしくピカピカで、周りの景色が鏡のように映りこむほどです。その外観はとても高級感があふれ、ゴージャスな観光列車という印象を受けますね。

 

 この36ぷらす3、2020年(令和2年)10月16日(僕の誕生日!)に華々しくデビューを飾りました。博多を起点に九州を一周するコースを運行しますが、個人的に嬉しかったのはなんといっても肥薩おれんじ鉄道の路線も走るということですかね。第3セクター分離以前はもともと鹿児島本線として787系が当たり前に走っていた区間ですから。

 実車は5日間かけて九州を巡るコースが設定されていて、博多を出発し鹿児島中央に向かう木曜日コース、鹿児島中央から宮崎に向かう金曜日コース、宮崎空港から別府に至る土曜日コース、別府〜門司港〜博多を巡る日曜日コース、博多から長崎に向かう月曜日コースです。全車グリーン車のゆったりした旅、一度は経験してみたいもんです。




inserted by FC2 system