キロ47形 あめつち

 『天地(あめつち)初(はじ)めて発(あらは)れし時、高天原(たかまがはら)に成りし神の名は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)』。これは神話を含む日本の歴史書にして、現存するものとしては最古の書物である古事記の冒頭の部分です。JR西日本は平成30年(2018年)の夏に行われた「山陰デスティネーションキャンペーン」に合わせて、キハ47形を改造した観光列車「あめつち」の運行を開始しました。(僕は当初、「雨土」と勘違いしておりました。)

 あめつちはキハ47形を改造したキロ47形を2両つなげたものが専用編成として使用されます。1号車はキハ47 2010を改造したキロ47 7006。2号車はキハ47 3016を改造したキロ47 7005です。特徴的なのは車体デザインですね。調べてみますと、デザインコンセプトは「ネイティブ・ジャパニーズ」。あめつちは山陰地方の自然・文化・伝統を盛り込んだデザインとしているそうで、車体側面の上部には山陰の海と空を、下部には日本刀(たたら製鉄)の刃がイメージされています。また、車内には島根県・鳥取県の工芸品が数多く使用されているそうです。加えて車中では、山陰の地産品や地元の食材に因んだ食事・飲物などが提供されます。乗車するだけでそのような伝統文化に触れることができるわけですね。まさにキャッチフレーズ通り、「古くて新しい山陰」を発見する旅が楽しめるというわけです。いいなあ、乗りたいなあ。

1号車 キロ47 7006

2号車 キロ47 7005

 あめつちは観光列車ですので、大山・宍道湖などの名所や日本海を望めるスポットでは徐行運転となります。食事をしながら山陰ならではの風景を楽しむことができるのですね。さて、登場から今まで、あめつちは出雲市駅〜鳥取駅間を結んでいましたが、木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」が令和5年(2023年)11月に引退するのを受け、あめつちの同線への乗り入れがほぼ決定したようです。これからも大いに地域振興に役立ってもらいたいものです。




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