415系分オイFo104編成

 ここ九州において、近郊型電車は421・423系、415系0番台、そして同じく100番台、1500番台と流れが続いてきました。ですが、残念なことにとうとう100番台に廃車が発生してしまい、本格的に同系列の淘汰が始まろうとしています。

 1998年 下関駅にて

 僕は421・423系、415系と共に青春時代を過ごしました。予備校時代から大学生時代にかけて、国鉄からJRに変わっても特急にほとんど縁のなかった僕は近距離も遠距離も近郊型電車を利用しました。予備校時代、非冷房車に何度も乗車しました。暑がりの僕がよく我慢できたなあ、と今更ながら思います。最後尾の車両の一番後ろのクロスシートに腰かけて運転室を覗くと、車掌さんがタバコを吸っていた時もあったっけ。この度、JR九州の100番台で一番に廃車となった分オイFo104編成を感謝の気持ちを込めてNゲージで再現してみました。

 クハ411‐104
 415系分オイ104編成

 調べてみますと、Fo104編成は1978年9月に日立製作所にて新製されたことがわかりました。最初の配置は南福岡区で、以降、南福岡区と大分区とを何度か配置換えしたようです。運用線区は鹿児島線、日豊線、長崎線、山陽線、宇部線と広範囲にわたりました。

 トイレ付き先頭車 クハ411‐204

 晩年は大分車両センターに所属し、分オイ車として日豊本線を中心に活躍しました。当編成の魅力、それはロングシートに改造された仲間もいる中で、新製以来ずっと守り続けたボックスシートではないでしょうか。特に長距離を移動する観光客にはありがたいですよね。ロングシートは少々つらいですもんね。

  車両区で一休み

 分オイFo104編成は2020年3月のダイヤ改正で運用を離脱しました。数日間は大分車両センター内にひっそりと留置されていましたが、同月21日に南宮崎へ、翌日には鹿児島へと疎開回送が行われました。

 そしていよいよ2020年12月、クリスマスイブからクリスマスにかけてFo104編成は鹿児島を出発、懐かしい日豊本線を北上しつつ小倉総合車両センターまでの廃車回送が行われました。牽引機は鹿児島所属のDE10 1755号機です。

 鹿児島のDE10 1755
 小倉に向けて出発
 2度と帰らぬ旅へ

 2017年(平成29年)9月、門司駅〜下関駅間の関門トンネル内でこの編成にモーターの不具合が発生して自走不能となり約3時間、乗客が缶詰め状態となったトラブルがありました。こりゃもう廃車かな、と心配したのも今となっては思い出です。

 思えば昭和、平成、令和と走り続けた電車でした。逆にいえばよくぞこれまで走りぬいたものだと感心します。これは耐久性に優れた車体であることはもとより、行き届いたメンテナンスという現場の努力があってこそですね。これからは大分にいる同い年の仲間たちを応援してきたいと思います。




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