北海道のキハ22

 長女が中学2年生の時、国語の授業で習った古文の「いとをかし」の意味がよくわからないと言ったので、僕は「をかし」とは趣(おもむき)があって云々、と説明しましたがどうやら理解は今一つの様子。もう面倒臭くなったので、要するに「マジエモい」ってことだ、って教えたら「なるほど〜」と非常にすっきりした顔になっていました。(笑)今どきですねえ。

 最近、僕が「マジエモい」と感じたもの、それは北海道に残る廃線跡です。かつて、石炭や森林資源の運搬のために張りめぐらされていた鉄道網が、今ではまさに「夢の跡」に。特に北海道にある廃線跡は道路や宅地への転用はもちろんありますが、人里離れたところでは朽ちたまま自然に還っているところが多く、その廃線巡りをYouTubeで楽しむことができます。(本当に便利な世の中になりました。)僕にとって北海道の廃線跡は「マジエモい」のです。

 廃線跡がまだ現役だった頃(昭和50年〜60年頃)の記録を見ますと、必ずといっていいくらいキハ22を目にします。キハ40やキハ53が北海道を走る光景はとてもよいけど、この列車もローカルな風景によくマッチするんですよねえ。 

 

 冬は雪に覆われた平原の中を、夏は緑の美しい草原の中を、ある時は険しい山の中を、そしてある時には広大な海沿いを走ったキハ22の姿を想像するだけでまるで北海道旅行を楽しんでいるかのような気分になります。

 当時の写真を確認しますと、キハ22は一般色(ツートンカラー)と首都圏色(モノトーンカラー)の2種類の塗装で走っていたようです。この系列の製造は昭和30年代前半から昭和40年代前半にかけてですから、もちろん現役の車両はないのですが、ディスプレイ上で模型をじっと眺めていますとエンジン音が聞こえてくるようです。

 キハ22が現役の頃に北海道に行きたかったなあ。考えてみればキハ22自体が「マジエモい」なあ、と。

 

 





inserted by FC2 system