キハ58-225・キハ28-2195 きじ馬ラッピング車


 国鉄時代を含めて九州にはたくさんのラッピング車両が登場しましたが、その中でも特にカラフルなもののひとつがこの「きじ馬ラッピング車」だと思います。

 調べてみますと、きじ馬は「雉子車(きじぐるま)」とも呼ばれる九州オリジナルの木製玩具なんですね。福岡県の瀬高町、熊本県人吉市、大分県の玖珠郡の3つの系統があるそうです。面白いですね。

  きじ馬(画像はウィキペディアより)

 平成7年、きじ馬のラッピングが施されたキハ58-225とキハ28-2195が営業運転を開始しましたが、それまでのエピソードが非常に興味深いのです。このラッピング車登場のストーリーは、地元を走る鉄道の活性化を目的に人吉鉄道事業部が「楽しい列車のデザイン展」を企画したことに始まります。応募用紙には無地のゴハチのイラストがあり、そこに塗り絵のようにデザインを描いて提出したらしいのですが、多数の応募作の中から当時人吉市に住んでいた小学生のきじ馬をモチーフにした作品が見事金賞に選ばれました。

 

 ラッピングされたゴハチ君は平成7年3月に人吉駅で披露されました。JRはデザインしたお子さんと同じ小学校に通う児童さんたちを招待し、トロッコ列車をはさんで走らせたそうですよ。う〜ん、粋ですねえ。JR九州さん、ナイス!!

 平成9年11月、このラッピング車は当地域での運用を終えることになります。僕は初めて知ったのですが、きじ馬ラッピング車は内装の改造を施したジョイフルトレインではなかったのですね。その後は塗装を白地に青いラインの九州色に塗装されて鹿児島に転属したそうです。

 

 あっ、しまった。きじ馬のヘッドマークをつけ忘れていたことに気づきました。それでは、ヘッドマークをつけての撮影です。

 令和2年7月の豪雨できじ馬の故郷である人吉が大変な被害を受けました。肥薩線、くま川鉄道の被害も甚大で胸が痛みます。この度の豪雨災害に遭われた地域の方々に一日も早く、普段の生活と笑顔が戻ることを心から願いたいと思います。同時に被災した道路や鉄路の復旧が順調に進むことも祈らざるを得ません。



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