下関の115系T編成


 国鉄時代に開発され、数多く製造された近郊型直流電車113系・115系も次第にその数を減らし、いよいよ終焉も近づいているように感じます。各地でその地域に応じた柔軟な編成を組み、改造を受けて活躍していましたが、年ごとに運用離脱が相次ぎ、現在ではしなの鉄道と西日本を中心にかろうじて命脈を保っている状況です。

 本州の最西端で活躍する115系には4両編成と2両編成とがありますが、T編成は2両編成のほうを指します。令和4年現在、4編成計8両が活躍しておりまして、すべて山陽本線で運用されています。この編成の特徴は岡山にいるD編成、G編成に見られような平面顔の先頭車ですね。

 しかし、反対側の先頭車は見慣れたいつもの顔をしています。後から調べてわかったことなのですが、こちらの顔も中間車に運転台をつけた改造車だったのでした。ということは、2両とも115系の短編成化で不足した先頭車を補うために改造されたものとなります。

 4編成とも福知山から1編成の仲間を残して当地に転属し、高速化の解除に伴い車番から5000を引かれています。これによって当車両はもともと1000番台だったことがわかります。そのルーツをたどりますと、国鉄時代に岡山に配属された湘南色115系1000番台の6連であったようです。ここでは詳細を述べませんが、紆余曲折を経て、おそらくは最後の活躍の場となるであろう下関にやって来たのでした。

 

 

 福知山に残ったたった1編成の仲間は運用を離脱したとの情報があります。下関のT編成4兄弟の末永い活躍を願いたいものですね。がんばれ、シモティー!(←僕は下関T編成をこのように呼んどります。)




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