東海道線のE217系

 もう10年以上も前のことです。東京出張の帰り、いつもの如く東京駅9番線ホームでサンライズ瀬戸・出雲を待つ間、ふと隣の10番ホームに目をやりますと、そこには側面に湘南帯の4ドア通勤電車が停車していました。その光景自体は不思議でも何でもないのですが、その電車の顔を見ますと横須賀線・総武快速線で活躍しているE217系なのでした。初めて見た時には少々驚きました。えっ、なんで?!となりましたねえ。

 

 調べてみますと東海道線運用のこのE217系、やはり元々は横須賀線・総武快速線を走っていたものだったのでした。今から遡(さかのぼる)ること平成16年(2004年)10月に行われたダイヤ改正。湘南新宿ラインの増発に伴って横須賀線電車の運用数が減少し、E217系に余剰車が発生したそうです。そういった事情によりまして、鎌倉車両センター所属のE217系初期車のうち、基本編成3編成と付属編成3編成の計45両が国府津車両センターへ転属したのでした。

 

 東海道線用に転属したE217系は平成18年(2006年)3月でのダイヤ改正より運転を開始しました。もともとは基本編成11両、付属編成4両での運用でしたが、この転属に際してE231系と同様に下り方に基本編成10両、東京方に付属編成5両への組成が行われました。前面・側面の帯はそれまでのスカ色帯から東海道線カラーの湘南色帯へと変更されています。113系・115系は共に同系列で湘南色とスカ色があって何の違和感もないはずなのに、E217系では湘南帯車が見慣れないせいか「ウソ電」のように思えてしまいますね。

 
 

 東海道線で末長く活躍してほしかったE217系ですが、平成27年(2015年)3月にて同線での約9年間にわたった運用を終えることになります。これは上野東京ラインの開業と同時期でした。何か車両上・運用上の問題でもあったのでしょうかね。ともあれ、E217系は古巣に戻って通勤通学の足として日々活躍するようになります。東京出張のたびに東京駅の10番線で会っていた彼らの姿を、模型を眺めつつ懐かしく思い出しています。

 

 

 




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