トロQに乗りました!


 平成17年8月21日。念願だった久大本線のトロッコ列車「トロQ」に乗ることができました!!その日に先立つこと一週間前にインターネットの週間天気予報で当日が雨ではないことを確認して、足取りも軽くルンルン気分で別府駅へ、そして切符をゲット。(トロッコ列車に乗るためには指定券が必要なんですね。)始発の大分から終点由布院まで乗り通します。

 せっかくの機会なので、乗車前にあらかじめ「トロQ」について予習をしておきました。下り方(大分寄り)先頭車がキハ58(1号車)、上り方(由布院寄り)先頭車がキハ65(5号車)で、両者の間に貨車改造のトロッコ列車を3両はさんでいます。(キハ58-569 + トラ74318 + トラ72792 + トラ74858 + キハ65-36)1号車のキハ58は国鉄時代に急行型気動車として一時代を築いた名車で、この569はもともと長崎地区で活躍していた車両です。リクライニングシートを装備しており、これは以前国鉄型特急485系で使用されていたグリーン座席です。経年のためにややくすんだ印象がありますが、それでも座ればリッチな気分にはなりますネ。3両のトロッコ車両は屋根なしタイプの貨車のトラ70000形の改造車。昭和61年に指宿枕崎線で運用を開始、その後肥薩線を経て平成10年からは久大本線に移ってきています。現在のモスグリーンの「トロQ」スタイルは近年のリニューアル改造後の姿だそうです。5号車のキハ65は四国から九州・熊本にきた車両で、共に現在は大分をねぐらにしています。車両の歴史を知ると、ますます乗車当日が楽しみになってきます。(^^)

 トロッコ車両にて記念撮影

 晩夏のさわやかな天候のもと、トロッコ車両で心地よい風に吹かれて雄大な由布岳を仰ぎ見る、といった旅行前の想像は見事に打ち砕かれました。嫌な予感は見事に当たり、当日は朝から雨が降っていたのであります。(最近、週間天気予報が全然当たらないと思いませんか?)がっくり肩を落としつつ大分駅へ向かいまました。そして降りしきる雨にくすんだ大分駅7番のりばで列車の到着を待ちます。トロッコ列車を待ちながら楽しそうにはしゃいでいる子供たちの姿がせめてもの救いでしたねえ。

 やがて列車は1号車を先頭にゆっくりとホームに入線してきました。あいにくの天気にもかかわらず、思ったより乗客はいましたねえ。トロッコ車両の乗車率は約3割といったところでしょうか。真ん中のトロッコ、3号車に乗りこみます。トロッコに降り込む雨と格闘しつつ大分駅を出発しました。

 悪天候の中、列車は走ります。

 トロQは時刻表では「臨時快速」になっていて、途中の停車駅は向之原(むかいのはる)と南由布の2駅しかありません。(単線ですから、途中離合のための運転停車はありましたが。)それにしても雨の降り込みがひどく、各車両に備え付けてある雑巾でひたすらテーブル、イス、手すりを拭いておりました。とても車窓を楽しむどころではなかったです。(^^;)> 

 せっせと雑巾がけしてます!!

 それでも向之原駅につく頃にはいっそう雨が強まったので、いったんトロッコ列車から避難して1号車の座席に戻ります。じっとしているのも癪(しゃく)で退屈だったので、トロQ用気動車2両の模型を車内にかざってみました。

 キハ58と65を模型で再現

 終点由布院までこの状態で過ごさなくてはいけないのか、と諦めかけて溜め息をついていたところ、庄内駅あたりから雨が止んだので再びトロッコ車両に戻りました。今度は4号車、先頭車キハ65のすぐ後ろです。またまた雑巾でテーブルとイスと手すりをキチンと拭いてから、持参したタオルで乾(から)拭きして作業完了!! 今度はじっくりと外の風景を楽しめます。山深い景色を風に吹かれながら堪能しました。爽やかな風、というよりは湿っぽい風でしたが、けっこう涼しいもんですね。とても気持ち良かったです。湯平(ゆのひら)〜南由布の間はところどころ線路と道路が平行していますが、併走する複数の車から手を振ってくれる人たちがいて、思わずこちらも手を振り返しました。こんなこと何年ぶりだろう。童心に戻って無邪気にはしゃいでしまいましたな。由布岳は雲に隠れてしまっていて姿を見せてくれませんでしたが、列車は定刻に由布院に到着しました。

 終点由布院にて。キハ58

 駅を出て由布院の街を散策後、昼食に地鶏定食をいただいて帰りました。皮肉なことに帰る頃にはすっかり天気は回復し、家に帰りついた時には真夏の青空でありました!!(汗;) 今度は紅葉の季節にトロQのお世話になりたいと思っています。(おわり)

  

inserted by FC2 system