国鉄前橋駅の開業準備

 僕は群馬県前橋市で幼少期を過ごしました。当時、国鉄両毛線沿いに自宅がありまして、前橋駅と駒形駅間を走る電車たちを日常の風景として見て育ちました。もちろん、鉄道好きの原点はここにあります。前橋駅の駅舎はすでに新しくなり、近代的な高架駅になっています。ですが、僕にとっての前橋駅は旧駅舎のまま、駅前の噴水と共に記憶に刻まれています。この度、拙作ながら国鉄時代の前橋駅をNゲージサイズで再現しましたが、やはりホームを飾る役者ともいえる列車たちを準備したいところです。日曜日、ヒマな時間を利用して国鉄前橋駅の開業を彩る電車たちを手入れを兼ねて集めてみました。

70系

 

 昭和43年10月のダイヤ改正(通称:ヨンサントウ)で、電化された両毛線に大船電車区からスカ色の70系がやってきました。4両編成とするために不足する先頭車を、80系のサロ85形を種車として改造が施されて6両の平面顔クハ77形が誕生しました。今でいうところの「魔改造」ってやつですかね。僕が生まれ故郷の北九州から前橋市に引っ越したのが昭和43年(3歳の時)ですから、物心がつくと同時に70系が走る姿を目に焼き付けたことになります。モハ70の車内の様子、クハ77のふかふかな座席の座り心地は今もなお鮮明に覚えています。僕にとって前橋駅の開業には欠かせない電車ですね。目下、3編成の両毛線用70系を所有していますが、1編成はトミーテックの鉄道コレクションです。所属標記(「高シマ」)の貼り付け、カプラーの交換等を行うため、近日中工場へ入場します。

 

 

 

クモユニ74

 

 前述の70系は基本的に4両編成単位で運用されていました。ところが時として高崎方に郵便荷物電車が連結されることがあり、塗色の違う混色5両編成はとても目を引きました。(僕にとっては見慣れた編成であり、ちっとも珍しくはありませんでしたが。)クモユニ74はオレンジとグリーンのツートンカラー(通称:湘南色)でした。

 


115系0番台

 オレンジとグリーンのツートンカラー(湘南色)は子ども心にとても格好良く写りました。なぜなら、この塗装の電車は各駅停車にせよ急行列車にせよ、乗車すれば大好きだった上野動物園や交通博物館に行けましたから。貧乏な生活の中にあって、楽しい記憶と共に脳裏に刻まれている湘南色はオヤジとなった今でも大好きな塗色なのですね。115系0番台は昭和38年に製造がはじまり、翌39年には新前橋区に配置が始まっています。僕が前橋に住み始めた昭和43年には両毛線でも活躍しておりました。前橋〜駒形間の複線区間を行き交う電車は70系がメインでしたが、時には4両編成の115系も運用を行っていて出会うたびに「お〜」と思っていました。大きな前照灯(デカ目ライト)、ザ・国鉄って感じでいいですよね。

 


115系300番台

 昭和48年10月、高崎線の輸送力を増強する目的で300番台が新前橋区に配置されました。前照灯はシールドビーム化されて現在でもなじみの顔となります。当初から冷房付きという点では明らかに0番台の進化型といえそうです。上野〜前橋間の運用実績もあり、昭和49年末まで前橋で過ごした僕は、おそらく何度が乗車しているだろうと思います。当時、ボックスシートに座って窓を開け、風を浴びるのが好きだったのですが、夏に窓が開けられないのを残念に思った記憶がありますので。(165系かもしれませんが。)高シマ車として4両編成と7両編成の2種類を所有していますが、ぜひホームに入線させたいと思っています。

 


115系1000番台

 115系1000番台は昭和52年から新製されていまして、長野・松本地区への投入を念頭に耐寒・耐雪構造がより一層強化されたグループです。その頃僕は九州に帰っていますので、前橋にはいませんでしたが、ある時、クモハ・モハ・クハの1000番台3連が前橋駅に停車している写真を見たので、その姿も再現したいなと考えました。KATO製の単品がそのまま高シマ標記になっていましたので、標記をそのままにカプラー交換、ジャンパ栓装着などの工事を施す予定です。

 


165系

 特急の乗り入れがなかった前橋駅では、急行列車が唯一の優等列車でした。そのような中、グリーン車を連結した上野行き急行「あかぎ」は僕が憧れた電車であり、初めて乗車した時(上野への家族旅行)の興奮は今でも覚えています。駅前の噴水が見えたあたりですでにテンションがMAXになって、えらくはしゃいでいましたっけ。165系は子ども時代の楽しい思い出とその塗色とを併せて、今でも僕が一番好きな電車です。急行「あかぎ」の7両編成はすでに完成させましたので、こちらは両毛線ローカル運用の3両編成です。 

 


 

185系

 国鉄末期、旧前橋駅に停車している185系の写真を見たことがあります。急行「あかぎ」なのか、はたまた新特急「あかぎ」なのか定かではありませんが、そのシーンも再現してみたいですね。
 

EF12

 それにしても国鉄生まれのこの電機、力強さと優雅さとを兼ね備えているなと思います。素晴らしい造形ですよね。2軸貨車を10両ほど連ねてホームに入線させたいです。あとは貨物線の入れ換え機、10t半キャブを完成させたらオールキャストが勢ぞろいとなります。駅の開業準備は着々と進んでいます。



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