国鉄前橋駅ジオラマ制作記(13)

 本格的な着手から約2年半、構想から約5年の歳月が経ちましたが、思い出の国鉄前橋駅のNゲージサイズのジオラマをなんとか完成させることができました。頭の中で作り上げたイメージと実際にパーツを組み上げた仕上がりとに多々相違点はありますが、まあ素人工作にしてはよく出来たほうではないかと少々自画自賛です。ぜひごゆっくりと見学なさっていってください。それでは入場券をお求めになってからどうぞ。(笑)

 

 実はこの前橋駅、旅客開業前にすで荷物の取り扱いを始めておりまして、貨物ホームは初日から大忙しです。黒ワムをメインに貨物側線は賑わっておりました。もちろん、入れ換え機の半キャブ君も大活躍であります。

 さいごに貨物側線の様子をモノクロ写真で撮ってみます。それにしても昭和の風景ってなんでこんなにモノクロが似合うのでしょう。マジエモい!

 さて、いよいよ待ちに待った駅の旅客開業日です。そのお祝いムードはトップの画像で感じていただければと思います。本日は特別に「準急あかぎ」の復活運転がありまして、80系湘南色の電車が1番のりばに入線しました。(実際、昭和30年代後半に前橋駅へ入線の実績があります。残念ながら昭和43年に前橋へ引っ越してきた僕の記憶に80系電車はありません。)珍しい電車の登場に鉄道ファンがどよめきました。(笑) 

 それではモノクロカメラでパチリ。なかなかよい雰囲気に撮れました。80系の顔が70系のようにも見えますが、本当に前橋駅によく似合います。

「3番のりば、ご注意ください。高崎行き各駅停車が入りま〜す。白い点線の内側までお下がりくださ〜い。」というアナウンスが流れました。まもなく小山発高崎行きの70系ローカル電車が3番のりばに4両編成で到着します。

 おや、小山方には両毛線名物クハ77が連結されていました。この顔も前橋駅のジオラマによく似合いますね。僕が前橋に住んでいた頃にはごく普通の当たり前な電車でしたが、鉄道趣味的に見れば何とも贅沢な時代に生きていたものだ、と改めて思います。感慨にふけっていますと、「1番のりば、各駅停車小山行きが入りま〜す。お気をつけくださ〜い。」という構内案内放送がありました。こちらはクハ76を先頭に1番のりばに入線してきます。

 70系は通常4両固定編成なのですが、時々高崎方に湘南色クモユニ74形が連結され、5両で運用されていました。スカ色に湘南色の混結となります。今の感覚で見ますと同一編成の塗色違いは少々違和感を覚えますが、少年時代の僕にとっては日常的に見慣れた姿でした。

 やがて発車のベルが鳴り、小山行き70系電車(クモユニ付き)はゆっくりとホームを離れていきます。行ってらっしゃい。

 さて、両毛線の荷物・郵便電車は当初、新前橋区のクモユニ74 200番台が充当されていましたが、後にクモユニ82 50番台も運用されるようになりました。クモユニ74と同じく平面顔で湘南色ですので一見区別はつきにくいですね。下の画像の上がクモユニ74 200番台、下がクモユニ82 50番台です。

 クモユニ君は実に働き者であります。一日中、旅客編成にくっついて荷物・郵便を運んでくれていますが、昭和40年代が彼らの一番輝いていた時代ということになるでしょうか。クモユニ君の全盛期を少年時代の僕は間近に見ていたことになります。

 今回は盛りだくさんになりましたので、続きは次回とさせてください。またのご入場をお待ちしております。

国鉄前橋駅ジオラマ制作記(14)につづく。



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