令和時代の115系湘南色


 湘南色が大好きです。群馬県前橋市に住んでいた幼少期、日常よく目にしていた湘南色の165系と115系は僕が鉄道好きとなるきっかけとなった電車であり、子ども心にカッコイイと感じたその走行シーンや家族旅行での乗車の思い出は今もなお脳裏に鮮明なのです。還暦近い年齢となった今でも湘南色の電車を見ますとつい童心に戻りまして、幸せな高揚感に包まれます。考えてみれば、半世紀以上にわたり湘南色の電車が走っていること自体、これはもう奇跡なんでしょうね。近い将来には姿を消すであろう彼らの姿をラストランの日まで静かに見守りたいと思います。今回は令和時代に活躍した(している)湘南色の115系電車たちをNゲージで再現してみました。


JR東日本 高タカ T1040編成

 群馬の115系湘南色ですが、営業運転は平成30年(2018年)をもって終了しておりまして、以降の本線走行歴はありません。T1040編成は平成30年6月に長野総合車両センターへ廃車回送された後、しばらくの期間は編成全体がそのまま留置されていました。令和となってもその姿は見られたのですが、残念ながらクハ115-1030とモハ114-1040の2両は令和2年3月に解体され、クモハ115-1030のみ同センターに留置されています。

留置中の高タカT1040編成

1両のみのクモハ115-1030

しなの鉄道 S25編成

 しなの鉄道は一時期、動く115系の博物館とまで言われるほどの115系天国でしたが、新車の投入によりまして少しづつ同系列の廃車が進んでいます。ちょっと前まで湘南色が2編成だけ存在していましたが、その一つがS25編成です。クモハ114-1511、クモハ115-1075の2両からなるコンパクトな編成でしたが、時に後述するS3編成と組み、湘南色5両編成となった姿は非常にエモいものでした。いつまでもその塗色での活躍を願っていましたが、残念なことに令和3年(2021年)3月、廃車となりました。

解体待ちのS25編成

しなの鉄道 S3編成

 S3編成はクハ115-1012、モハ114-1018、クモハ115-1013の3両からなります。令和4年現在でしなの鉄道に在籍し、営業運転を行っている唯一の湘南色編成です。令和の時代に残った115系湘南色の中では国鉄時代の姿に一番近い外観でしたが、いつしかパンタグラフがひし形パンタからシングルアームに換装されておりまして、今どきの姿となりました。写真を撮り終えてからこのことに気づき、大急ぎで模型のほうもシングルアームパンタに置換した次第です。

⇒  シングルアームパンタへ


JR東日本 新ニイ N38編成

 新潟車両センターに所属したN38編成は車体に湘南色を身にまとい活躍しましたが、令和4年3月のダイヤ改正でとうとう他の仲間たちと共に運用落ちしてしまいました。思えばクハ115-1001、モハ114-1001、クモハ115-1001とトップナンバーが揃い、とてもカッコイイ電車でした。末永い保存を望みたいところですがどうでしょうか、ちょっとムリですかねえ。


JR東日本 長ナノ N15編成 訓練車

 長野総合車両センターに所属する115系N15編成訓練車、通称「エヌ イチ ゴー 訓練車」です。同編成、もともとはバリバリの営業車でしたが不幸な歴史からいったん保留車となります。しかし、平成19年(2007年)に訓練車に改造されまして、廃車となる令和元年(2019年)まで長野総合車両センター内における乗務員訓練で活躍しました。なお、エヌイチゴー訓練車は同年12月に解体されています。


JR西日本 岡オカ D27編成

 ここまでの115系は1000番台ばかりでしたが、最後に西日本の300番台です。西日本にはまだ数多くの115系が残っていますが、基本的に塗装は単一色(黄色)となり、湘南色はこのD27編成とD26編成しかありません。クハ115-410、モハ114-360、クモハ115-324からなるD27編成ですが、D26編成と共に細かい改造を施されてはいるものの、国鉄時代の雰囲気をよく残しています。


 令和時代の115系湘南色、ここに掲載したNゲージの写真を鉄道に詳しくない知人に見せたところ、それぞれの違いがまったく分からない、全部同じ電車に見えるって言ってました。いえいえ、ちゃんと違いがあって僕にはちゃんと区別がつきますヨ。(笑) そう遠くない将来には姿を消すであろう湘南色ですが、運用離脱の知らせを聞くたびに、なんだか自分の生きた証が一つひとつ消えていくような寂しさを感じています。 

 




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