さ よ う な ら ! ト ロ Q


 平成21年11月29日。久大本線の人気者、トロッコ列車「トロQ」が最後の運行日を迎えました。個人的にはいつまでも走り続けてほしい列車でしたが、車両の老朽化が著しいためにやむなく廃止に至ったのでした。最後のお別れをすべく、あらかじめ由布院発大分行きの最終便のチケットを購入。(と言えば格好いいのですが、駅の窓口で求めようとしたところ一週間前にはすでにチケットが完売しており、どうにかオークションで落札した次第です。)当日、曇天の中を由布院駅へと向かいました。いつもは閑静な雰囲気の由布院駅ですが、この日ばかりは駅ロビーを中心に人が溢れていましたね。駅前には鉄道グッズ(トロQと寝台特急富士関係がメイン)販売コーナーが臨時に設けられていましたが、ちょっと人気がないようで。。。閑古鳥が鳴いていました。残念。また、駅ロビーにはトロQラストランの掲示があり、運行最終日を実感します。

 

 

 さて、主役のトロQはすでに2番のりばに停車しており、重厚なエンジン音を響かせながら出発の時を待っていました。久大本線のマスコットでありながら、その存在感はなかなかのものです。ちょっと肌寒い日でしたので、駅前の喫茶店で温かいコーヒーをいただいて乗車に備えます。

 

 

 2番線ホームではトロQとの別れを惜しむ多くの人たちが、それぞれお別れをしているように見えました。僕は係員の方にお願いして、キハ65とツーショット写真を撮ってもらいましたよ。大分方にあるキハ58を写真に収めていざ乗車です。トロッコ車内の写真を撮っていると数年前、嫁さんとのデートが思い出されてちょっと懐かしくなりました。(トロQデート、なかなか素敵でしょ。(笑)でも嫁さんは鉄子ではないんです。)ホームでは出発式が執り行われています。

 

 

 15時11分定刻にトロQはゆっくりと走り出しました。トロッコの乗客はホームで見送る人たちに手を振りながらお別れをします。次第に遠くなる由布院駅に少しばかり胸がジンときました。車窓左側に見える由布岳は残念ながら雲に覆われていて、その姿を隠していました。きっと慣れ親しんだトロQの最後の姿を見たくなかったのでしょうね。

 

 沿線ではカメラを構えた多くの方々を見受けましたが、たまたま踏み切りにいた人たちも列車に手を振ってくれていました。住宅街では「さようならトロQ」の横断幕を持った子供たちもいて、年甲斐もなく鼻の奥がツンとしてしまいました。地域の人たちに愛されていた列車だったんだなと改めて思った次第です。おまえは幸せ者だナ、トロQ。残念ながら諸事情で終点の大分には行けず、南大分駅で下車してトロQを見送りました。

 南大分駅にて

 <おまけ1> 僕なりのお別れをしよう、と思い立ち、キハ65の車内で模型のトロQと記念乗車券をメッセージと共に写真撮影しました。どうやら僕は熱烈なファンに見えたようで、地元のテレビ局から取材されてその日の夕方のニュースに出演(?)することになりました。(笑) 

 <おまけ2> トロQ関連グッズです。トロQのロゴデザインはキーホルダーやステッカーにしてもオシャレで気に入ってます。ちなみに由布院駅停車中にお茶っ葉をいただくというサービスもありました。(下の写真左側です。)

 <おまけ3> 翌日の朝刊の地方欄にトロQラストランの記事が載りました。その記事によりますと、トロQは7年間で約30万人の乗客を運んだそうです。心からその労をねぎらいたいですね。お疲れさま、トロQ!

 <おまけ4> 2010年(平成22年)10月23日(土曜日)に大分車両センターで行われた「トレインフェスタin大分」に家族で出かけました。数々の展示車両に混じって、車庫の中にトロQのトラが3両そのまま留置されていて、食事のスペースとして開放されていました。トロッコの先頭にはラストランの時のヘッドマークが掲げてあり、僕ら家族はその前でパシャリと記念撮影。その写真は2011年の年賀状に印刷し、友人・知人に送りました。



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