僕が所有するコレクションの中で、もっとも古い部類に属するものと思われる湘南色113系1000番台です。前面のスカートは金属製でズシリと存在感があり、若干サイズが大きめに感じるアーノルトカプラー、車体側面窓と併せて彫りの深い造形の前面窓、プラスチック製のグレーの車輪。近年発売されている製品と比較すると、どうしてもおもちゃ感が否めないところです。
僕の手元にある、昭和59年に発行された鉄道雑誌の広告にトミックスの113系が載っています。この時期には車体前面の印象がぐっと引き締まっていて、より実車の印象に近い雰囲気になっています。ということは、この車両は昭和50年代半ばあたりの製品ということになるでしょうか。
僕自身、どちらかといえば精密化を歓迎するNゲージャーの一人なのですが、なぜかモーター作動まで怪しいこの113系を処分する気にはならず、むしろとても愛着を感じておりまして今もなお大切に保管しています。鉄道模型専門誌、RMMODELSの322号(2022−7)の記事に、関水金属にお勤めの関 良太郎さんの随筆が載っています。その中に「技術に頼って精密化することだけが良いこととは考えていない。古い製品にはその時代の香りがあり、それを楽しむ人がいる。また、その製品と共に歩んだ人生や思い出がある」という旨をお書きになっていました。(ぜひご一読を!)
なるほど、僕が鉄道好きとなる原点となり、幼い頃の楽しい思い出とともに記憶に刻まれている湘南色をまとっている模型だからこそ大切に思えるのですね。結局、愛着を覚えることに実車を精密に再現できているかどうかは関係ない、ということなんですね。関さんの記事を読んで新しい気づきがありました。
トミーテックの製品、鉄道コレクションシリーズで、国鉄前橋駅開業のために工場に入場していた70系電車ですが、この度、改修を経て無事に工場を出場しました。
さて、工事の概要ですが、パンタグラフをPS13に換装、プラ車輪を走行用の金属車輪に置換、アーノルトカプラーを密連カプラーに取り換え、グリーンマックス製の国電幌を装着、クハ77は手すりをクリーム1号に塗装、レボリューションファクトリー製の「70系高シマインレタ」を用いて各種標記を貼付、といったところです。
それでは出場した70系の姿を見てみます。元の製品状態に比べますと格段に見栄えが向上していますね。個人的には特に車体間の幌の様子が好ましく感じています。こうなりますと前橋駅の開業が待ち遠しいです。目下、鋭意準備中です。
ジオラマに色どりを添えるアイテムはたくさんありますが、錆びて草生したヘロヘロの側線上にちょこんと置かれている小さな保線作業用車もなかなか味があるのではないかと思います。
↑これは津川洋行製のTMC100という製品です。小さいながら作りが非常にしっかりした製品で、しっかりと動きます。トコトコと走る姿は愛らしいのですが、なにせ単独で本線上を走らせる機会がほとんどないもので...。本日もホーム横の側線上に静かに佇んでおります。(笑)
↑これはグリーンマックスのキットを組み立てて塗装したものです。モーターはなくディスプレイ用モデルとなっています。ちょっとばかり車体のサビを強調し過ぎましたでしょうか。毎日、側線にて風雨にさらされつつも列車の安全運行のために頑張る姿を再現しています。